こうして私は一直線にレッドツェッペリンにどハマりした。とまではいかず、まだこの時点では好きなバンドがひとつ増えた程度だった。なにせいろいろ動画を見まくってたので、その中でやっぱり格好良かったのだと再確認、再燃したバンドとミュージシャンがいた。チープトリックとデヴィッドボウイだ。
昔はYouTubeなどなく、TVまたはビデオなどでしか映像を、つまり動く彼らを見る機会がなかった。それが平成末期、いやもうみんな動く動く。動かぬ写真だけでもあんなに素敵だったのに、最高の楽曲を演奏してる姿の映像を見たら?そりゃあなた、惚れちゃうでしょ?
あのね、デヴィッドボウイのスターマンを見ちゃったの。これだけで、わかる人にはわかってもらえると思う。イギリス中の、いや世界中の少年少女が一瞬で恋に落ちた、あのあれ。私も落ちた。そりゃあ落ちた。ただ、落下中に鉛の飛行船に乗った黒い犬に噛みつかれて奈落までは落ち切らなかった。後のことを思えば、それがよかった。命拾いした。
この頃の私は、今でいう「推し」がいなかった。昔は毎日飽きもせず音楽を聴いていたのに、いつからiPodとイヤホンを持ち歩かないことが当たり前になって、心が空っからに枯れた生活をしてた。それが一転、今年はいっぱいいろんな洋楽聴こう!レッドツェッペリンを追いかけて、昔好きだったミュージシャンも聴き直して当時は買えなかったアルバムも聴こう!と、久々の音楽への高揚感にひとり盛り上がった2016年の正月明け。
その僅か数日後、デヴィッドボウイの訃報が世界を駆け抜けた。悲しかったなあ……再燃したばかりのにわかな私ですら悲しくてしばらくの間メソメソしてたのに、以前から本当にボウイを愛してた人達はどれだけ辛かったことか。この年の年末から翌年にあった展覧会、行ったよ。凄く良かったよ。そこでインフル貰っちゃって、帰ってから数日寝込んだのも懐かしい。訃報の少し後、スペースオディティを聴こうとしたらボウイの声があまりにも優しくて、泣けて泣けて仕方なくて、慌てて目的地に着いてないのに途中でバス降りちゃったけ。
話しがまた逸れた。逸れすぎ。
思い出して、レッドツェッペリンのことを。
ボウイの訃報でしばらく落ち込んでたけど、少しずつ年始に沸いた音楽熱が戻ってきて、また以前のように音楽を聴き始めた。レッドツェッペリンの動画も何度も見てた。
そして私は恋をした。誰であろう、ジミーペイジにだ。初めてギタリストに恋をした。今でこそ、私が愛してやまないのは唯一無二でお馴染みのリズム体、ジョンポールジョーンズとジョンボーナムである。それが最初はペイジに夢中だった。仕方ないじゃない?レッドツェッペリンで最初に目に入るのは、やっぱりどうしたってロバートプラントとジミーペイジでしょ?初見であのキラキラ麗しのフロント組を無視できますか?いやできない(反語)。寧ろ、何故プラントじゃなかったのかとあの頃の私に聞きたい。お前の好みは間違いなく王子だったろうに。確か、アールズコートの黒龍ペイジにやられたんだったっけな。今でもジミーペイジはあの黒龍ペイジが一番好きだ。
ともかく、私のZep愛は『Black Dog』と『ジミーペイジ(黒龍)』から始まった。当たり前だが、楽曲もハマった。どの曲を聴いても全部好きになった。
では、早々に全てのアルバムを購入したのか。してない。買ってない。アルバムを全て揃えたのは、ここから1年以上後のことだ。はい、すいません。ごめんなさい。お前、よくもそれで「私のZep愛」とか言うたな!はい、ごもっとも。
何故すぐにアルバムを購入しなかったのか。この頃の私は大分擦れて、心枯れた冷めた大人だった。今は久々の新しい出会いに胸躍ってるけど、それ、いつまで続くかね?アルバム揃えちゃって、早々に飽きちゃったらどうすんのさ。なんて思ってた。だったら1枚ずつ揃えれば……とも思ったけど、正直どれから買えばいいのかわからなかった(今なら、永遠の詩から買えばいいよって言うね)
結局どうしてたかと言えば、YouTube見て聴いてた。怒られる。レッドウォレット様に叱られる。鉛の財布様、この後に心を入れ替えてそちら様の正規品でお金を使いましたので許してください。また、些細なことでしょうが、アルバムはYouTubeで聞いてません。ロハで聴いたらアカンと思ってました。なので、アルバムは買ってから聴きました。YouTubeで聴いていたのはブート音源です。胸張って言うことではないですね。はい、すいません。違法動画も見ました。でも、オフィシャル動画もその倍は見ました。ごめんなさい。反省終わり。
反省文で述べたように、1年ほどほぼ毎日レッドツェッペリンのブート音源を聴きまくってた。まあ大いにクロ寄りのグレーだね……えへへ(笑って誤魔化す)
ただ、このブート音源を聴きまくったことが、私のZep愛が深まった事実だったりする。これがなかったら、単に好きなバンドのうちのひとつで収まってたかもしれない。
レッドツェッペリンを心底愛するようになった理由。
それは、リズム体が最高だったから。
コンサート(生演奏)のリズム体が最高だったから。
だから私はレッドツェッペリンが大好きになった。
揺るぎなくレッドツェッペリンが大好きになった。
③につづく