Black Dog’s Breakfast

鉛の飛行船への胸いっぱいの愛を変拍子で叫ぶブログ

あなたのZep愛は何処から?私は、③

ブート音源、動画を漁りつつ、ネット検索しては彼らのことを調べて、画像を見つけてはせっせと保存して、細々と但し着実にレッドツェッペリンへの愛を深めていった。

最初は楽曲は勿論のこと、メンバーすらよくわかってなかった。改めて見たら、揃いも揃ったタイプの違うハンサムボーイ達。こりゃ売れますよ。これにガチの実力が備わってんでしょ?そりゃ伝説になりますよ。もはや、なぜ神々によって星座にされてないのか世界の七不思議レベル。はあ、なんて、なんて素敵。格好いい。かわいい。好き。みんな大好き。これが10代の花も恥じらう少女の頃だったら、寝ても覚めてもツェッペリンのことしか考えられなくて、恋焦がれて眠れなかった。部屋中にポスター貼って無駄にドキドキする日々を送り、名前を呼んでみては途端に恥ずかしくなって枕抱えてゴロンゴロンしてる。学生手帳に切り抜き挟んで、授業中でもお構いなしに眺めてただろうな。もう、いい大人だったからそんなことしなかったけど。スマホの待受画面にはした。意味もなくスマホ開けたり閉じたりしてた。そのぐらいよ?

 

ツェッペリンを好きになったのが今の時代で良かったなとしみじみ思う。もっと前、それこそ洋楽にハマり出した若い頃にツェッペリンに興味を持って好きになってたら、ジョーンズのあの来日もその来日も見に行けただろうし、原宿のお店で今ならお宝な代物も買えたかもしれない。けど、あの頃はこんなに情報をサクサク得ることはできなかった。ブート音源だって、西新宿に行くなり、足を使わないと手に入らなかった。

昔は、ミュージシャンの情報を知るには音楽雑誌しかなかった。ましてや海外のミュージシャン。本人のインタビューを読むのも難しい(そもそも、ツェッペリンのインタビュー記事が少ない)。当時ですら解散から既に数十年経ってて、雑誌を手に入れるのも至難の技。手に入れたとしても、本場の雑誌は英語で読めない。日本の雑誌は「ペイジ凄い!ペイジ凄い!」の大合唱感想文ばかり。

若い頃に出会っていたら、精々アルバムを繰り返し聴いて、歌詞カードの写真に頬染めて、それでおしまい。渇望するほどの探究心に駆られることもなく、リズム体の素晴らしさに気付くこともできず、レッドツェッペリンも数ある好きなバンドのひとつにしかならなかったと思う。やっぱり、何事も出会うべくして出会う時があるんだな。この時代に出会えて本当に良かった。

 

ブート音源、つまりはライブ盤。コンサートを録音したもの。元々、どのバンドでもライブ盤が出てたら迷わず聴くぐらい好きだった。そもそも、ライブに行くの大好きだった。ツアーは回れる限り回った。毎回同じセトリ?だからなんだ!その公演でしか聴けない、見ることのできない演奏だよ?見たいよ!聴きたいよ!たまにセトリ変わるし、MCも変わるじゃん。その公演でしか起こらなかったハプニング!それらに遭遇した時の喜びよ!好きなバンドであればあるほど、何度だってライブ行きたいよ。見たかったよ。聴きたかったよ。それがさあ……ねえ?よりどりみどりに聴けるとしたら、ねえ?

さすがに西新宿のことは知らなんだけど、いわゆる海賊盤なるもんが世に出回ってるのは知ってたから、それがネットでザクザク聴けるなんて狂喜乱舞なわけで。なにしろツェッペリン初心者。右も左もわからない。最初は闇雲に片っ端から聴いて、セトリで曲名を覚えて、そのうちに727375年が特にお気に入りになって、77年は長くてダレるけどアキレスが入ってるから外せなくて、80年はペイジのギターがヘロヘロのベロベロでダメだった。ラストコンサートだけは意地で最後まで聴いた。

 

正直、いつ、どの時点でリズム体に全面的に心奪われたのか、全く覚えてない。本当に、はたと気がついたらリズム体が何より好きだった。明確な時期もきっかけもわからない。特別な天啓があったわけじゃない。いやでも半年以上はペイジのことが好きだったはず。

 

昔から曲を聴く時はベースに耳を傾けてた。ベースラインを拾って聴くのが好きだった。それがツェッペリンにハマり、ペイジにお熱になって初めてギターに耳を傾けた。それは覚えてる。ただやっぱり元々はベースが好きだから、様々なブート音源を大量に聴いていくうちに、無意識に耳がベースを拾い出したんだと思う。何より、ジョンポールジョーンズのベースを聴き漏らすなどベースの神様に顔向けできない所業。バチが当たる。ジョーンズのベースが耳に入れば、必然的にボーナムのドラムも耳に入る。今まで好きになったバンドでは、特にドラムとベースを重ねて聴いてはこなかった。だがしかし、私がこの時に聴いていたのはレッドツェッペリンである。

唯一無二と謳われ、一心同体の完璧なリズムセクションと語り継がれる、最高にして最強の天下一番のリズム体。ベースとドラム、ジョーンズとボーナム、併せて一対ではなく交わって一体。渾然一体、それがレッドツェッペリンのリズム体なのだ。故に、ベースとドラムが同様に耳に入るのは当然であり、ジョーンズとボーナムのふたりを一遍に好きになるのは必然なわけです。

 

それにしてもこんな好きなのに、音楽の素養がないので、リズム体のここが素晴らしい!このブートを、この曲を聴いてくれ!という決定的な説明ができない。具体的な説得もできない。魂の叫びならなんぼでも出るのに。歯痒いこと、この上ない。

 

 

④につづく